清水 宏祐(神戸大学)
「ジャガイモシストセンチュウに対する新規ふ化促進物質の同定とその生合成の解析」
1982年に北大正宗教授らによりシストセンチュウふ化促進物質としてインゲンマメからグリシノエクレピンAが単離・同定されてから、40年間その生合成に関して全く不明であった。本研究の特徴は、原点に戻って活性ベースで “もの” を追いかけることによりジャガイモシストセンチュウふ化促進活性を示す新規物質ソラノエクレピンBを同定した点、さらに、微量分析系を利用することでその生合成遺伝子を初めて同定した点にある。
竹内 亜美(東京理科大学)
「ジャガイモ塊茎デンプンの代謝工学に向けた高効率ゲノム編集技術の開発」
本研究では、翻訳エンハンサーdMac3を利用したCRISPR/dMac3-Cas9を利用してジャガイモのゲノム編集を行い、新たなデンプン形質をもつ変異体の作出に成功した。また、トマトとの接ぎ木を利用したジャガイモの交配法を確立した。本研究で得られた成果は、多倍数体ゲノムを有し栄養生殖性の強い作物の変異体育種を可能にするものであり、代謝工学に基づく新たな品種開発に寄与することが期待される。