TECHNOLOGY 植物バイオテクノロジー

本学会と植物バイオテクノロジー

本学会は1981年に日本植物組織培養学会として発足しました。植物の組織培養は細胞培養による有用物質生産、メリクロン苗の生産、細胞融合による新しい植物の作出などに利用され、こうした技術は植物バイオテクノロジーと呼ばれました。その後、分子生物学に基づく遺伝子組換え技術の登場により植物バイオテクノロジーは新しい局面を迎えます。1990年代には遺伝子組換え作物の商業栽培が始まり、本学会は1995年に日本植物細胞分子生物学会へと改称しました。21世紀に入ると新植物育種技術と呼ばれる一連の技術が登場しました。中でもゲノム編集技術は植物バイオテクノロジーの発展を加速させています。こうした変遷を踏まえ2020年に本学会は日本植物バイオテクノロジー学会へと改称しました。

本学会の立場

1. 遺伝子組換え技術に関する本学会の立場

遺伝子組換え技術は、植物の基礎研究の多様な局面において必要不可欠な技術です。また、遺伝 子組換え作物はすでに世界中で大規模に栽培され、日本も大量に輸入・消費しています。さらに、 新たな遺伝子組換え植物の開発は、人類の生活を豊かにし、環境問題の解決にも貢献する可能性 があります。本学会は、遺伝子組換え植物の安全性に十分配慮しつつ、この技術の発展と普及 を支援します。

遺伝子組換え植物に関する詳細はこちら

 

2. 新植物育種技術に関する本学会の立場

本学会はゲノム編集をはじめとする新植物育種技術が基礎研究も含め社会への貢献が期待されることから、この技術の発展と普及を支援します。また、安全性が十分に配慮され国内あるいは国 際的に調和の取れた規制のあり方が望ましいと考え、その枠組み作りと運用に協力します。さらに、この技術に関する社会への情報提供に努めます。
新植物育種技術の概要については、日本学術会議の報告をご覧ください。

ゲノム編集をはじめとする新植物育種技術の詳細はこちら

 

社会活動

1. 市民公開シンポジウムの開催

植物科学、特に植物バイオテクノロジーの持つ社会的意義と役割についての理解を深めていただくために、一般の方々を対象とした市民公開シンポジウムをほぼ毎年開催しています。

2. 意見書や提言の提出

    • 地方自治体の遺伝子組換え作物栽培規制に関して、意見書を提出 (北海道、滋賀県、岩手県)

 

3. 政府機関のパブリックコメント募集に対する意見提出