第28回日本植物細胞分子生物学会大会・シンポジウム
お知らせ
下記のとおり第28回の大会・シンポジウムを開催いたします。多数の御参加をお待ちしております。
>>日程・プログラム(PDF:402KB)
1.会期
2010年9月2日(木)、3日(金)
2.会場
東北大学農学部・農学研究科(雨宮キャンパス)(〒981-8555 仙台市青葉区堤通雨宮町1-1)
交通:仙台駅より地下鉄「泉中央駅」行き乗車、「北四番丁」下車、徒歩約10分
仙台駅西口バス乗り場18番(120,220系統)、19番(110,130系統)、堤通雨宮町、下車。
3.大会参加登録と一般講演申込
一般講演の申込とWEBシステムを利用した事前の大会参加登録は終了しました。
大会へ参加を希望される方は、大会当日の受付でお申し込みください。
なお、一旦払込まれた大会参加費、懇親会費等は返却いたしませんので、あらかじめご了承ください。
7月9日以降の申込(大会当日受付)
一般会員 | 学生会員 | 非会員 | |
---|---|---|---|
大会参加費 | 8,000円 | 3,000円 | 11,000円 |
懇親会費 | 7,000円 | 3,000円 | 7,000円 |
要旨集のみ | 一部3,000円 |
一般講演のない学部学生の大会参加費は無料です。多くの学生の参加をお待ちしております。懇親会(3,000円)と要旨集(一部3,000円)は大会当日の受付でお申し込みください。
賛助会員の団体に所属する方でも個人で会員になっていない場合、会員扱いにはなりません。
4.一般講演
一演題につき発表10分、質疑応答2分以内です(登壇、降壇を含む)。プログラム通りの進行ができるようにご協力をお願いします。
一般講演は口頭発表で行い、液晶プロジェクターをご使用願います。スライドプロジェクターは使用できませんのでご注意ください。大会側は液晶プロジェクターを用意いたしますが、パソコンは演者がご持参ください。会場内のスクリーンは1枚で、複数の機器による同時投影はできません。機器の操作に補助が必要な場合は演者の方でご手配ください。
液晶プロジェクターの出力解像度はXGA(1024×768)です。解像度に合わせて発表資料を作成いただき、発表に先立って試写室にて正しく投影されることをご確認願います。前演者の講演時までにパソコンを立ち上げ、発表資料ファイルを開いておいてください。前演者の講演終了後、直ぐにパソコンをプロジェクターに接続してください。接続はミニDsub15ピン外部出力コネクターを介して行いますので、特殊な変換アダプターが必要な場合にはご持参願います。大会ではパソコンのトラブルに対応するための人員を配置できませんので、使用は演者の責任で行ってください。
発表資料の作成にあたっては、「色盲の人にもわかるバリアフリープレゼンテーション法」のサイトを是非ともご一読願います。
5.特許
本学会は特許法第30条第1項の規定による「特許庁長官が指定する学術団体」に指定されています。講演要旨に記載されている事項に関しては、学会が確認の上、「証明書」を発行します。大会準備委員会にお問い合わせください。
6.シンポジウム
大会期間中に4件のシンポジウムを計画しています。発表方法等については、オーガナイザーを通じて演者の方に別途連絡いたします。
1)「植物遺伝子組換え研究における変異ALSの利用」
オーガナイザー:清水力(クミアイ化学 生物科学研究所)、高溝正(農研機構 畜産草地研究所)
遺伝子組換え作物は今後の日本の食料安定供給のために有用であると考えられているにも関わらず、今のところ消費者の理解を得るに至っていない。組換え作物の実用化を目指す研究者は、組換え作物を消費者に馴染み易いものにしていく必要がある。分岐鎖アミノ酸代謝の酵素であるアセト乳酸合成酵素(ALS)は植物や微生物に存在する酵素であり、ヒトを含めたほ乳動物には存在しない。このため本酵素を標的とする安全性に優れる薬剤(除草剤)が多く開発されている。本シンポジュームではイネから取得した薬剤抵抗性ALS遺伝子がイネ及び他の作物の形質転換時の選抜マーカーとして利用されている例を紹介する。本ALS遺伝子は自然変異により得られたイネ由来の変異型遺伝子であることから、消費者にとって馴染み易いと考えられる。
「変異ALSを使った植物形質転換技術の構築」
角康一郎・河合清・清水力(クミアイ化学工業)
「GABA高含有米の作出を目的としたイネ形質転換」
赤間一仁(島根大学・生物資源科学部)
「飼料用イネ形質転換」
川田元滋・谷口洋二郎(農研機構・作物研究所)
「コムギ及びオオムギ形質転換」
小川泰一(農業生物資源研究所)
「ダイズ形質転換」
藤郷誠(農研機構・作物研究所)
「飼料作物及び芝草形質転換」
高溝正・佐藤広子(農研機構・畜産草地研究所)
2)「植物オルガネラ:構造・機能・ダイナミクスを支える分子メカニズム」
オーガナイザー:風間智彦(東北大院農)、中村崇裕(九州大院農)
植物オルガネラである葉緑体、ミトコンドリアは光合成、呼吸を司るだけでなく、植物特有の様々な生命現象を支えている。これらの共生によって生じたオルガネラの機能は、宿主である核ゲノムとの厳密な協調の上に成り立っている。近年、生物種によってオルガネラ機能、宿主による制御戦略が異なっていることが示され、植物オルガネラにおいても、その構造・機能・ダイナミクスの分子メカニズムの一端が明らかになりつつある。
本シンポジウムでは、非常に動的な植物オルガネラの構造、分裂機構、およびゲノム制御機構、また、これまで予想されていなかったオルガネラの役割について、その分子メカニズムに焦点を当てて最近の話題を紹介したい。
「核ゲノムにコードされたミトコンドリアRPL27遺伝子の重複と機能喪失が引き起こしたイネ種間
の生殖的隔離」
山形悦透(九州大院・農)
「植物ミトコンドリアのダイナミクスを支える分子メカニズム」
有村慎一(東京大院農)
「植物細胞による葉緑体分裂制御機構及びその進化」
宮城島進也(理研・基幹研究所)
「オルガネラ遺伝子発現のキープレイヤー、PPR蛋白質の分子機能」
中村崇裕(九州大院農)
「デンプン粒の形状決定機構に関する分子細胞生物学的研究」
松島良1、前川雅彦1、藤田直子2、山下 純1、坂本亘1
(1岡山大学資源植物科学研究所、2秋田県立大学生物資源科学部)
3)「青いバラの次に来るもの?高効率な遺伝子組換え花きの作出と実用化のための最新技術」
オーガナイザー:大坪憲弘(農研機構 花き研 新形質花き開発研究チーム)、
高木優(産総研 ゲノムファクトリー研究部門)
青いカーネーションとバラは遺伝子組換えにより不可能を可能とした好例として一般に強いインパクトを持って受け入れられる一方、後者については日本で初めて国内栽培が開始された例として、今後の遺伝子組換え作物の開発と実用化に大きな一石を投じた。しかし、これらに続く組換え品種の開発においては、商品化にかかる時間とさまざまなコストを大幅に低減する技術開発が求められており、基礎研究の成果をいかに効率良く目的形質に結びつけるかが重要な課題となっている。
本シンポジウムでは、生研センター・イノベーション創出基礎的研究推進事業で2008年度より進めているプロジェクト研究「CRES-T法を基盤とした花きの高度形質制御技術の実用化」に参画する花きの分子育種に高い実績を持つ産学官の研究者より、新たな商品化が見込まれる組換え花きの作出や、優良形質を効率良く付与・選抜する作物種ごとの最適化手法についての最新情報を提供する。実用化のフロントラインで起こる様々な技術的問題をどう解決していくのかを、これまでに皆さんが見たことのない様々な美しい花の実例をまじえながら紹介したい。
「花きCRES-Tプロジェクトで何を明らかにするのか」
大坪憲弘(農研機構・花き研)
「CRES-T法はどこまで使えるようになったのか」
光田展隆、大島良美、高木優(産総研・生物プロセス)
「遺伝子組換えによる新しい花作りのモデルケース-トレニアの花の改変とその効率化-」
四方雅仁1、鳴海貴子2、佐々木克友1、山口博康1、間竜太郎1、大坪憲弘1
(1農研機構・花き研、2香川大・農)
「遺伝子組換えによるリンドウの多様化の可能性-花色、形態から開花期まで-」
中塚貴司、齋藤美沙、山田恵理、木村惣一、西原昌宏(岩手生工研)
「江戸の変化朝顔の美に遺伝子組換えで迫る-一夏(ひとなつ)、珍奇な鉢花を楽しむ-」
小野道之、中村美早紀、大関悠子、川崎真澄、小野公代(筑波大・遺伝子実験センター)
「花の形を変える分子育種-バラのように咲くシクラメンを創る-」
寺川輝彦、田中悠里、杉山正夫、山村智通(北興化学・開発研)
「新しいバラとカーネーションを創る試み」
祗園景子1、硯亮太1、Ekaterina Mouradova2、田中良和1
(1サントリー・植物科学研、2Florigene)
4)「遺伝子組換え植物研究の新展開」(本部企画)
オーガナイザー:小泉望(大阪府立大学大学院)
遺伝子組換え植物研究について、我が国ではモデル植物から作物・有用植物開発への流れが強まっている。また、これらの研究において、拠点形成も促進されつつある。これらについて、数名の方に講演をいただき、本学会の今後のロードマップを議論したい。
「アジア・アフリカにおける遺伝子組換え植物商業化の動向」
冨田房雄(ISAAA 日本バイオ情報センター代表)
「アメリカにおける遺伝子組換え植物研究とそれを取り巻く状況」
佐藤卓(USDA)
「組換え植物のための共同利用・共同研究拠点」
江面浩(筑波大学大学院)
「分子微生物学的手法による遺伝子組換え植物の環境影響評価の試み」
池田成志(北海道農研センター)
「メタボローム解析を用いた遺伝子組換え植物評価の試み」
草野都(理研・植物科学研究センター)
「植物工場を利用した組換え植物の生産」
後藤英司(千葉大学大学院)
7.ランチョンセミナー
主催:タカラバイオ株式会社
「次世代型高速シーケンサーによるゲノム解析から遺伝子発現解析への展開」
大場利治(タカラバイオ・ドラゴンジェノミクスセンター)
8.総会-授賞式-受賞講演会
2010年9月2日(木)午後に東北大学農学部・農学研究科1番講義室で行います。総会に引続いて2010年度学会賞授賞式ならびに受賞講演会を行います。
受賞者の方々へは発表方法について別途連絡いたします。なお、論文賞には受賞講演はありません。
学術賞
該当なし
技術賞
「雄性不稔性と害虫耐性を共発現する遺伝子組換えキクの開発と実用化の試み」
○篠山治恵1、市川裕章2、間 竜太郎3、望月 淳4、野村幸雄5
(1福井県農業試験場、2農業生物資源研究所、3農研機構花き研究所、
4農業環境技術研究所、5福井県丹南農林総合事務所)
「新しい遺伝子サイレンシング法(CRES-T)を用いた転写因子機能解析法の開発と応用」
○高木 優、光田展隆、松井恭子、小山知嗣、平津圭一郎
(産業技術総合研究所ゲノムファクトリー研究部門)
奨励賞
「植物遺伝子の網羅的な機能推定のための遺伝子共発現解析手法の開発と解析データベースの
構築」
尾形 善之(理化学研究所植物科学研究センター)
「植物の枝分かれを抑制するホルモン、ストリゴラクトンに関する研究」
梅原三貴久(理化学研究所植物科学研究センター)
学生奨励賞
該当なし
論文賞
Naoki Matsuo, Hiromi Mase, Miho Makino, Hiro Takahashi, Hiroharu Banno (2009)
Identification of ENHANCER OF SHOOT REGENERATION 1-upregulated genes during in vitro
shoot regeneration. Plant Biotechnology 26, 385-393.
9.懇親会
2010年9月2日(木)17:15~ 勝山館(しょうざんかん)で行います。会場が3月号から変更になりました。ご注意ください。農学部正門を出て左(東)に進み、次の信号交差点を右(南)に進んだ次の信号のある角です。徒歩5分程です。
10.評議員会
2010年9月1日(水)18:00~ 東北大学農学部・農学研究科10番講義室で行います。
詳細は評議員会案内とともにお送りします。
11.市民公開シンポジウム
「植物とともに活きる-有用成分から眺めた植物の魅力とバイオテクノロジー」
日時:2010年9月4日(土)13:30~17:00
場所:東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)会議室
〒980-0803 仙台市青葉区国分町3-3-7
TEL:022-225-8641 FAX:022-223-8728
参加費:無料
「エネルギーを産みだす植物たち-地球環境を守るための植物バイオ先端技術」
奈良先端科学技術大学院大学 明石欣也先生
「植物の色の不思議-花の色と紅葉の化学と生物学」
東京農工大学大学院工学府生命工学専攻 小関良宏先生
「花香の不思議からテクノロジーへ」
静岡大学創造科学技術大学院 統合バイオサイエンス部門 渡辺修治先生
「植物の花の不思議- 植物の花粉と雄しべは、どうやってコミュニケーションしているのだろう」
東北大学大学院生命科学研究所 渡辺正夫先生
パネルディスカッション(総合討論)
12.問い合わせ先
〒981-8555 仙台市青葉区堤通雨宮町1-1
東北大学大学院農学研究科 環境適応生物工学分野
第28回日本植物細胞分子生物学会大会・シンポジウム 大会委員長 鳥山欽哉
E-mail: 28jspcmb@bios.tohoku.ac.jp
電話:022-717-8830(鳥山)、022-717-8832(伊藤幸博)、022-717-8831(風間智彦)
FAX:022-717-8834
13.宿泊案内
大会準備委員会としてのご案内は致しませんので、各自でお申し込みください。