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二次代謝産物

植物は変化に富んだ物質を生産します。その中でも特定の種や系統,組織,細胞等に限られるものを二次代謝(特異代謝、特化代謝)産物と呼びます。その中には環境応答や生物間相互作用など、植物の生活において重要な役割を担うものがたくさんあります。これらはまた、人類にとっても医薬品をはじめとする有用な物質資源です。

GFP

クラゲから単離されたGreen fluorescent protein(GFP)は、基質やコファクターを必要とせずタンパク質自身が蛍光を発するため、レポーター遺伝子としてとても有用です。
植物を含む多くの真核生物の使用に適するよう改変したsGFP(S65T)遺伝子に核、プラスチド、ミトコンドリアへの移行シグナルを融合することで、細胞内オルガネラへの局在を高感度に検出できるようになりました。(赤色: 葉緑体の自家蛍光、緑色:GFPの蛍光、両者が重なった場合に黄色として検出される)

カンゾウ(⽢草)

マメ科の植物で⽢味成分グリチルリチンを根 や地下茎に蓄積します。⽣薬として古くから痛み、痙攣、咳の軽減に効能があるとして⽤いられてきたほか、⽢味料としても⾷品に広く利⽤されています。

ムラサキ

ムラサキの根(紫根)は古代から染め物に用いられてきました。また生薬として抗炎症作用、創傷治癒を目的に使われてきました。主成分はナフトキノン類のシコニンなどです。ムラサキの培養細胞をタンク培養することによりシコニンが工業生産され、化粧品の口紅にも配合されました。これは植物バイオテクノロジーが実用化された代表例です。

バイオテクノロジーの基盤技術:細胞培養

組織・細胞培養では土の代わりに培地を用います。培地の中には無機・有機塩と、炭素源として糖を含みます。さらに植物ホルモンを様々な組合せで添加すると、培養細胞を増殖させたり、芽や根などの器官に分化させることができます。遺伝子組換えやゲノム編集研究では培養による細胞の選択的な増殖や分化誘導が求められるため、細胞培養は植物バイオテクノロジーにおいて欠かせない基本技術といえます。写真はタマネギ培養細胞から不定芽が再分化する様子です。増殖中は白色の細胞塊ですが、不定芽形成が開始すると緑色を呈し、やがて芽に成長します。
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