日本植物細胞分子生物学会報 2012年 12月号
1 2013年度大会・シンポジウムのご案内
第31回日本植物細胞分子生物学会(札幌)大会・シンポジウムを下記のとおり開催いたします。ご参加の予定をよろしくお願いいたします。
1)会期:2013年9月10日(火)~12日(木)
2)会場:北海道大学高等教育推進機構(札幌市営地下鉄南北線北18条駅下車)
(〒060-0817 北海道札幌市北17条西8丁目)
交通:http://sougou.academic.hokudai.ac.jp/access/をご参照ください。
宿泊:大会ホームページに後日掲載します。
3)大会参加および講演申込方法
2013年3月号の会報に掲載します。講演申込の受付は5月下旬締切を予定しています。
4)シンポジウム
「アグロバクテリウムによる単子葉作物の形質転換20周年(仮題)」、「植物組織の超低温保存(仮題)」、「バイオインフォマティクス講習会」、その他を企画しております。
他に若干のシンポジウム企画を受け付けます。企画をお持ちの方は、2月末までに大会準備委員会までご連絡ください。
5)評議員会
2013年9月9日((月))18:00~ 北海道大学構内
詳細は評議員会案内とともにお送りします。
6)問い合わせ先
〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目 北海道大学大学院理学研究院生物科学部門
第31回日本植物細胞分子生物学会大会・シンポジウム 大会委員長 山口淳二
7)大会・シンポジウムホームページ(2013年1月開設予定)に最新情報を掲載しますので、そちらもあわせてご覧ください。http://www.knt.co.jp/ec/2013/jspcmb31/
2 酒井昭先生の訃報について
北海道大学低温科学研究所名誉教授の酒井昭先生は、2012年10月5日に、92歳でお亡くなりになられました。9年前に札幌の地下鉄の電車内で脳溢血のために倒れられてから、リハビリを経て一旦は回復されましたが、二度目の脳溢血からはずっと市内の病院に入院されて治療をされておられました。
先生は、1960年代の低温によって深刻な凍害を受けた果樹、林業、茶の対策のため新設された北大低温研の植物凍害部門にて研究を着手されました。それ以来、「植物耐寒性」という新たな研究分野を探求され、多くの研究成果を出されました。先生の興味は、低温に止まらず、土壌凍結、寒風や積雪、更には高山や高緯度環境に対する植物の適応や傷害にまで及び、研究活動は細胞から生態系レベルの基礎から農林業への応用も網羅するものでした。また、低温馴化、耐寒性と凍結回避のメカニズム解明にも多大な貢献をされました。その中で、木本植物の枝切片を液体窒素温度でも生存可能にする予備凍結法を確立され、これが、その後の植物組織の超低温保存研究の基礎となりました。
先生は北大を定年退職後にアメリカの大学での客員教授を経て、1988年から植物遺伝資源の超低温保存のための研究を再開されました。それ以降、先生は自費で国内外の研究機関を巡回され、そこの研究員を指導しながら精力的に研究を進められました。その結果、グリセロールベースの植物ガラス化液(PVS2液)を開発され、オレンジの珠心胚細胞を用いてガラス化法という新しい超低温保存法を1990年に発表されました。1992年には、ワサビ培養茎頂を用いて、高濃度ショ糖培地での前培養とローディング処理による浸透脱水耐性を付与することで、植物茎頂で初めて安定的なガラス化法の開発に成功されました。このガラス化法は、熱帯植物でも適用され、今日では200以上の植物種の成功例が報告されています。これらの貢献により、先生は2003年に日本植物バイオテクノロジー学会の技術賞を受賞されました。
先生が蒔かれたガラス化法の種子は、国内外の多くの研究者に引き継がれ、その後、ビーズガラス化法、ドロップレット法、プレート法へと大きく発展を遂げています。
最後に、酒井先生のご業績とご人徳に対し、敬意と感謝の心をささげ、本学会の会員の皆様とともにご冥福をお祈りしたいと存じます。
3 会費納入のお願い
先日、2013年度会費請求書を発送いたしました。もしもお手元に届いていない場合は事務局までご連絡くださいますようお願いいたします。(2013年度の会費をすでにご入金いただいている方、今年度末での退会希望のご連絡をいただいている方にはお送りしていません。)
本会の会費は、一般会員6,000円、学生会員4,500円、特別賛助会員一口50,000円、賛助会員一口15,000円で前納制となっております。2012年度会費を未納の方は、至急振込をお願いいたします。なお、会費を3年分滞納した方は退会と見なし、会員名簿から削除いたします。また、会費を納入されない場合は会誌の発送を中止いたしますのでご注意ください。
4 Plant Biotechnology電子投稿について
準備が遅れておりましたJ-Stageの電子投稿審査システム(J-Stage 3)の運用を2013年1月より開始します。多くの会員の皆様におなじみのトムソン・ロイター社のScholarOneタイプのシステムです。下記のサイトから利用できます。
http://mc.manuscriptcentral.com/pb
利用方法がわからない場合には、メール(plant-biotech@gtc.naist.jp)でお問い合わせください。
5 学会事務局の移転について
11月5日より学会事務局の住所を移転いたしました。新しい連絡先は以下の通りです。
日本植物バイオテクノロジー学会 <jspcmb-post@bunken.co.jp>
担当:古川
〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター
TEL:03-5389-6076、FAX:03-3368-2822